Q:質問
「青色申告らくだ23」(Rev.7.50以降)では何が変わりましたか?
 A:回答
「青色申告らくだ23」Rev.7.50では、インボイス制度に関連した各種機能が追加されました。
 
 追加機能の概要
【1】仕入税額控除の要件に対応する機能を追加
仕入税額控除の要件を満たした取引と、仕入税額控除の適用を受けられない取引を区別するため、仕入の仕訳時に、「適格請求書」または「区分記載請求書」を区別する機能が追加されました。
これにより、仕入れに関する仕訳を入力する際に、インボイス(適格請求書)による取引なのか、従来の区分記載請求書による取引なのかを区別できるようになります。
 
【2】免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置に対応する機能を追加
インボイス制度の開始後は、免税事業者等の適格請求書発行事業者以外から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができませんが、制度開始後6年間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
経過措置が適用される期間および割合は以下の通りです。
 
令和5年10月1日〜令和8年9月30日 → 免税事業者等からの課税仕入れにつき80%控除可能
令和8年10月1日〜令和11年9月30日 → 免税事業者等からの課税仕入れにつき50%控除可能
 
この経過措置に対応するため、「仕訳帳」等の各帳簿に、「経過処置」欄が追加されました。
 
【3】少額特例に対応する機能を追加
一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)の適用対象事業者である場合、1回の取引の課税仕入れに係る金額(税込み)が1万円未満である場合には、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除(100%)が可能です。
これに伴い、少額特例の適用事業者である場合のチェック機能が追加されました。
 
 追加機能の詳細
 
【1】仕入税額控除の要件に対応する機能を追加
 
【1-1】「科目台帳」に「請求書区分」欄を追加
科目台帳に「請求書区分」欄が追加されました。「適格(適格請求書)」と「区分記載(区分記載請求書)」のいずれかを選択できます。
 
「請求書区分」に「適格」「区分記載」のいずれかを設定できるのは、下記の税区分です。その他の税区分では、「請求書区分」は空欄となり、設定することはできません。
 
 課税対応仕入
 課税対応仕入返還
 非課税対応仕入
 非課税対応仕入返還
 共通対応仕入
 共通対応仕入返還
 
※上記税区分をご選択頂いた際の「請求書区分」欄の初期設定は、いずれの場合も「適格」となります。
 
【1-2】「仕訳帳」等、各帳簿に「請求区分」欄を追加
「仕訳帳」等、各帳簿の右側に「請求区分」欄が追加されました。
 
仕入に関する仕訳を入力する場合、科目台帳で設定された各勘定科目の「請求書区分」が自動的に入力されますが、仕訳明細ごとに適宜変更することが可能です。
 
なお、科目台帳で「適格」が設定されている場合でも、インボイス制度適用前の日付(令和5年9月30日以前)でご入力頂いた取引には、自動的に「区分記載」の「請求区分」が入力されます。インボイス制度適用後(令和5年10月1日以降)の取引には科目台帳の設定に準じて「請求区分」が入力されます。
 
例:科目台帳で「請求書区分」を「適格」にしている勘定科目「仕入高」を使用した場合
 
【2】免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置に対応する機能を追加
 
【2-1】「仕訳帳」等、各帳簿に「経過処置」欄を追加
「仕訳帳」等の各帳簿に、「経過処置」欄が追加されました。
 
「経過処置」欄で選択できる項目は以下の通りです。
 
 100%
 80%(80%経過措置)
 50%(50%経過措置)
 控除不可
 
「経過処置」欄は、「請求区分」欄で「区分記載」が選択された場合に、自動的に入力されます。自動的に入力される内容は、該当仕訳明細の日付によって変わります。
 
例1:令和5年9月30日以前で、「請求書区分」欄を「区分記載」とした場合
 
例2:令和5年10月1日以降で、「請求書区分」欄を「区分記載」とした場合
 
【2-2】仕入税額控除割合適用前/後の金額に切り替える機能を追加
「仕訳帳」等の各帳簿画面上部に、「仕入税額控除割合適用前の金額を表示」のチェック項目が追加されました。
 
チェックがオフの場合は、仕入税額控除割合適用後の消費税額が表示されます。
 
チェックがオンの場合は、仕入税額控除割合適用前の消費税額が表示されます。
 
帳簿を開いた際、適用前/後のどちらの消費税を表示するかを、「設定」画面→「消費税設定」内の「帳簿を開いた直後は、仕入税額控除割合適用前の消費税を表示する」のチェック項目で設定できます。
 
【2-3】帳簿印刷時に、経過措置適用の旨の印字機能を追加
帳簿を印刷する際に、仕入税額控除の経過措置を適用した仕訳明細に記号を印字し、ページ下部に記号の説明文を印字する機能が追加されました。
初期設定では、記号は「☆」、説明文は「☆は経過措置適用仕入」となっています。
 
記号と説明文は、「設定」画面→「印刷設定(消費税)」内にある「経過措置適用の印刷」で変更できます。
 
【3】少額特例に対応する機能を追加
「設定」画面→「消費税設定」内に、「仕入税額控除の少額特例を適用する」のチェック項目が追加されました。
 
この設定をオンにすると、令和5年10月1日以降で、課税仕入の税込金額が1万円未満であれば、「請求区分」欄を「区分記載」とした場合でも、「経過処置」欄が自動的に「100%」となります。
 

この資料は以下の製品について記述したものです。
青色申告らくだ23